TOP
衛生管理コラム

第70話 HACCP/FSMS対応ペストマネジメントにおける異物検査⑥ カタラーゼテスト②

ペストマネジメント

前話に続き、カタラーゼテストの話をします。
前話では、反応状況を観察するというお話をしました。

分かりやすくするために、虫だけでなく、髪の毛についてもお話します。
次の点を押さえて下さい。
髪の毛:毛根部にしかない(毛根部が残っていないと髪の毛はカタラーゼテストできない)。
昆虫:キチン質上にはない。ということです。

○髪の毛をカタラーゼテストします。
1)毛根部だけから、酸素が出ていたら、非加熱。
2)毛根部から酸素が出なければ、加熱もしくは、頭部から落下してかなり(数ヶ月以上)日が経っている。
3)毛根部だけでなく、毛幹部からも、酸素が出ていたら、微生物がいると考えられる。
ア)毛根部からの酸素発生の勢いが明らかに強い→非加熱の可能性が高い。
イ)毛根部からの酸素発生が、毛幹部からの酸素発生量と同じ。
→ 加熱後か、頭部から落下してかなりの日数経過している可能性が高い。

○昆虫体をカタラーゼテストします。
1)虫体の内部だけから、酸素が出ていたら、非加熱
2)虫体の内部から酸素がでなければ、加熱もしくは、死後かなり(数ヶ月以上)日が経っている。
3)虫体のキチン質部位や翅から、酸素が出ていたら、微生物がいると考えられる。
ア)虫体の内部からの酸素発生の勢いが明らかに強い→非加熱の可能性が高い。
イ)虫体内部からの酸素発生が、他の場所と同じ→加熱後、もしくは死後かなりの日数経過している可能性が高い。
その他に、カビが生えていたら、アルコールで拭き取って、検査したりします。

この様に、酸素発生量だけでなく、発生状況を細かく観察することによって、カタラーゼテストは加熱有無判定の有効な手段となります。
報告書には、酸素発生状況写真をしっかり載せ(数枚載せる時もあります)、どうしてその様に判断したかを、理論的に説明します。

最新の衛生管理コラム 6件

マネジメントのヒント
第54話 「国史教科書」発行に思う 竹田恒泰氏が中学校の歴史教科書を6年かけて検定合格させました。 学校で繰り返される反日教育に絶えられず、 正しい日本の歴史を伝える教科書を作ったそうです。 「正しい日本の歴史」とは、…続き
マネジメントのヒント
第53話 日本人のアイデンティティに目を向ける 第二次世界大戦後、日本は教育界やマスコミによって、自虐史観を植え付けられて来ました。 日本の歴史の負の部分をことさら強調されたり、時にはありもしないことをでっち上げたりされて来ました。 …続き
マネジメントのヒント
第52話 先祖に思いをはせる気持ちから衛生管理を考える 先週に引き続き、先祖に思いをはせる日本人について考えます。 日本人は、無宗教と言われることがあります。 しかし、初詣や七五三など、神社との結びつきは強いです。 そして何より、両親や祖…続き
マネジメントのヒント
第51話 想いを力に変える パリ五輪の卓球女子シングルスで銅、団体で銀メダルを獲得した早田ひな選手が 「鹿児島の特攻資料館に行きたい」と発言し、多くの著名人が絶賛しました。 「生きていることを、そして自分が卓球を…続き
マネジメントのヒント
第50話 車の譲りあい 前話に続き、日本人の良さを考えたいと思います。 海外と日本の交通事情を比較して、いつも思うのは、 車の譲りあいの素晴らしさです。 脇道から車が出てきている時は、交互に譲ります。 そ…続き
マネジメントのヒント
第49話 人を尊ぶ心 人を信じるには、「人は信じられる」という確信が必要です。 それには、日本人の良さを日頃から感じることが大切と思います。 これから数話に渡って、日本人の良さを考えたいと思います。 東日…続き