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衛生管理コラム

第52話 「工夫されないペストマネジメント例」⑤ 毎回報告書の内容が同じ

ペストマネジメント

毎回、報告書の指摘事項が同じという話もよく耳にします。
「毎回、不可能な対策が、繰り返し記載されている」とのことです。
改善不可能な対策を並べても意味がありません。

守ることができる(無理でない)防虫計画をたて、その効果を評価していくことが大切です。
守れないなら、なぜ守れないか考え、守るのが無理なら次善策を考えていくことが大切です。

ここで大切なのが、「製造ライン(製造ラインを流れる製品)を守る」という目的です。
侵入させない/発生させない対策を確実に実行するのが難しい場合、「対策ができていません」と繰り返すのではなく、
「侵入させない/発生させない対策は大切ですが、それらの対策に限界があるならば、侵入/発生を止められなかった虫が、製造ラインの危険なところに近づかないようにする」ことが大切です。

例えば、包装室での混入の可能性があるならば、包装室の密閉度をあげたり、途中にトラップを配置したり/増やしたりして、包装室内に虫が入る前に、虫を捕獲するようにします。

「改善不可能」で終わるのではなくて、目的達成のために、その次の対策を考えたり、いくつもの対策を組み合わせたりして、最終目的である、製造ラインを守る体制に近づける姿勢が大切です。

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