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衛生管理コラム

第48話 最小限の仕組みつくりの例

よりよい組織作りのために

最小限の仕組み作りとは、その作業の本質を理解し、「絶対に必要なこと」だけをおこなうことです。
防虫対策の要である前室(入出荷口)を例に考えます。

入出荷口に望まれることを列記して、その中で、絶対に必要なことに○をつけました。
1)全てを含んだ作り込まれた仕組みです。
○入荷/出荷時に施設内に虫が直接入らないように、二重シャッターにして前室を作る。
開閉速度を速くするために、二重シャッターをシートシャッターにする。
作業性をあげるために、シャッターにセンサー探知をつけ自動にする。
自動にしたシャッターが無駄に開閉しないために、センサー感知範囲を示す。
○二重シャッターが同時に開かないようにルール化する。
二重シャッターが動じに開かないように、インターロックにする。
○前室内の光は、虫を寄せないような光にする。
○シャッターとシャッターの間、外に光がもれない位置にライトトラップを設置する。

2)絶対に必要な項目(○がついた項目)だけをおこなったのが、最小限の仕組みです。
入荷/出荷時に施設内に虫が直接入らないように、二重シャッターにして前室を作る。
二重シャッターが同時に開かないようにルール化する。
前室内の光は、虫を寄せないような光にする。
シャッターとシャッターの間、外に光がもれない位置にライトトラップを設置する。

「作り込まれた仕組み」と「最小限の仕組み」で、大きく違うことが分かります。
第49話では、この違いを、運用的に考えたいと思います。

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