TOP
衛生管理コラム

第48話 最小限の仕組みつくりの例

よりよい組織作りのために

最小限の仕組み作りとは、その作業の本質を理解し、「絶対に必要なこと」だけをおこなうことです。
防虫対策の要である前室(入出荷口)を例に考えます。

入出荷口に望まれることを列記して、その中で、絶対に必要なことに○をつけました。
1)全てを含んだ作り込まれた仕組みです。
○入荷/出荷時に施設内に虫が直接入らないように、二重シャッターにして前室を作る。
開閉速度を速くするために、二重シャッターをシートシャッターにする。
作業性をあげるために、シャッターにセンサー探知をつけ自動にする。
自動にしたシャッターが無駄に開閉しないために、センサー感知範囲を示す。
○二重シャッターが同時に開かないようにルール化する。
二重シャッターが動じに開かないように、インターロックにする。
○前室内の光は、虫を寄せないような光にする。
○シャッターとシャッターの間、外に光がもれない位置にライトトラップを設置する。

2)絶対に必要な項目(○がついた項目)だけをおこなったのが、最小限の仕組みです。
入荷/出荷時に施設内に虫が直接入らないように、二重シャッターにして前室を作る。
二重シャッターが同時に開かないようにルール化する。
前室内の光は、虫を寄せないような光にする。
シャッターとシャッターの間、外に光がもれない位置にライトトラップを設置する。

「作り込まれた仕組み」と「最小限の仕組み」で、大きく違うことが分かります。
第49話では、この違いを、運用的に考えたいと思います。

最新の衛生管理コラム 6件

ペストマネジメント
第94話 勉強会を食品安全管理に活用する 前話に続き、勉強会を食品安全管理に活用することの続きです。 勉強会の後、従業員が動くようにします。 勉強会後「今日の内容を、日々の仕事に活かしてください」だけでは、 動ける従業員はほ…続き
ペストマネジメント
第93話 勉強会のあり方 従事者の勉強会をおこなう時は、 「おこなわないといけないから」と、ありきたりの勉強会をおこなうのでなく、 勉強会を食品安全管理に活用することを考えたいです。 話を聞いて終わりでなく、…続き
ペストマネジメント
第92話 工場内に工事業者を入れる時② 工場内に工事業者さんを入れる時に、おこなうべきことを考えます。 まずはおこなうことです。 工事業者さんの出入口を決めます。 できれば1か所にしぼりたいです。 【工事前】 歩行昆虫…続き
ペストマネジメント
第92話 工場内に工事業者を入れる時① 工場でモニタリングをしていると、急に捕獲数が増えることがあります。 何か変わったことがなかったか訊くと、「工事が入った」との言葉を聞いたりします。 品質担当者の方の中には、製造中以外は…続き
マネジメントのヒント
第42話 食品安全で問われるもの 肉まんで有名な会社の異物混入が報道されました。 工場で豚まんのあんの中にビニール片が入っているのを従業員が見つけたそうです。 会社は、混入原因とみられる箇所を確定し、対応すると同時に、1.…続き
マネジメントのヒント
第41話 日本人の持つ「和」の強さを信じる 令和6年能登半島地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。また、犠牲になられた方々に、謹んで哀悼の意を表します。 また、東日本大震災で犠牲になられた方々にも、謹んで哀悼の意を表します…続き