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第35話 仕組みつくりの失敗例

その他

第35話では、仕組み作りの失敗例をお話します。
私が、昔勤めた会社で、従業員満足度をあげるために、アンケートを取ったことがありました。
会社の働きやすさとか、上司について、意見をきくというものです。
確か、区役所かなんか、公でおこなっているものでした。
従業員が安心して意見を述べられるように、集めた意見は、誰が書いたか分からない様に打ち直すとのことでした。

社長や専務には、お世話になっており、これといった不満はありませんでした。
しかし、せっかくの機会なので、改善した方が良いことを、軽い気持ちで2~3記載しました。

一週間くらいが過ぎ、結果が帰って来ました。
その結果が読まれた時、一気に気まずい空気が流れました。

帰って来た書類は、文字こそ打ち直していますが、書いたそのままの文章でした。
そのため、誰が書いたかの見当がつくものでした。
特に、私は、文章も硬く、言葉使いも他の人と違っていたため目立ちました。
会社の批判をもろに書いたような状態になってしまいました。

誰が書いたか分からない様にする仕組みがまるで出来ていませんでした。
「ただ打ち直せば良い」という考えしかなかったのですね。
文章表現で、書いた人が特定できるとは、思わなかったんですね。
「誰が書いたか分からない様にして、皆の意見を集めて、会社に届ける」という目的が共有されていなかったのでしょうか?
ここまで想像力がないと、クレームを出す気にもなりませんでした。

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