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衛生管理コラム

第29話 しくみ作りを仕事の目的として失敗した例

よりよい組織作りのために

第26~28話で、仕組み作りのお話をしました。
仕組み作りでは、「何の目的で仕組みを作るのか」をはっきりさせることが大切です。
「仕組み作り」そのものを目的にしてはいけません。
目的がぶれて、お粗末なものになってしまうからです。

仕組み作りを目的として失敗した例として、2021年8月、渋谷に開設されたコロナワクチン接種センターがあります。

新型コロナウィルスのワクチンが行き渡っていない若年層向けに、予約なしでコロナワクチンを受けられる様に開設されました。
ところが、本接種センターは、接種は1日200人程度を見込み、正午からの運用開始を予定しました。
当然、初日は早朝から大勢の人が列を作りました。
そのため、午前7時半に受け付けを終了し、300人分の整理券を配布したと、ニュースになりました。

インタービューに答えた一般女性が、「200で足りないなんて、私でも分かりますよ」と言っていました。
全くそうです。多くの人が、接種希望者の想定を、200人としたことに驚いたと思います。

これは、接種会場開設の責任者が、「ワクチン接種を急ぐ必要がある若者に、できるだけ早く多く接種させること」が目的であるのに、「接種会場を開設することだけ」を目的にしたことによる失敗かも知れません。

「ワクチン接種を急ぐ必要がある若者に、できるだけ早く多く接種させること」を目的とした場合、ワクチン接種希望者が、何千人、もしかしたら1万人を超えることは容易に察しできます。
その人数をどう分散させるのか、暑い中どこで待たせるのか、どうやってソーシャルディスタンスを保たせるのか、接種後の副反応観察のための待機場所をどこに設けるか、激しい副反応が出た場合のどのように対応するのか、それらを解決する仕組みが必要でした。
おそらく、ほとんど何も、考えていなかったように思います。

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