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衛生管理コラム

第26話 HACCP/FSMS対応ペストマネージメントのモニタリング⑨ モニタリング結果の分類②

ペストマネジメント

第26話では、前回、お話した分類の中で注意が必要なものをお話します。

①乾燥した貯穀物や粉、カビ等から発生する昆虫類
乾燥した貯穀物や粉のある環境、カビが発生する環境は、似てはいませんが、同様な昆虫類が発生してきます。
チャタテムシ類や小型の甲虫類です。
捕獲された昆虫類、周辺の環境状況を確認しながら、発生源を見つけてください。

②工場内排水溝や外周などの、有機物的汚れから、局所的に発生する可能性のあるコバエ類
私は、局所的に発生するコバエ類を、最初、全て内部発生性コバエ類としていました。
しかし、明らかに虫が発生するはずのない工場や倉庫で、該当するコバエ類が多く捕獲されることがあり、調査すると、敷地内/周辺環境からの発生でした。
それ以来、有機物的汚れから、局所的に発生する可能性のあるコバエ類として分類しています。
あきらかに工場内部で捕獲されれば、内部発生でしょうが、外部近くで捕獲された場合、敷地外を含む周辺環境を確認して判断する必要があります。

③有機物的汚れについて
植物性腐食物、動物性腐食物と、発生源を細かく分ける方もいますが、昆虫類が子孫を残すという本能はとても強いです。
植物性/動物性腐食物だから卵を産まないなどは、あり得ないと考えています。
つまり子孫を残すために選り好みせずに産むということです。有機物的汚れとして、広く対策を取ることが大切と考えます。

ペストマネージメントのモニタリングの目的は、捕獲された虫によって、環境を知ることです。
予想幅を広く取って、現場確認で突き止めるようにします。

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