TOP
衛生管理コラム

第22話 トラップ設置

ペストマネジメント

ライトトラップ、粘着トラップ、フェロモントラップの設置について考えます。

ライトトラップは、誘虫灯の光で虫を寄せるため、外に光が見える位置に設置してはいけません。
外というのは、野外という意味だけでなく、準清潔区域における汚染区域、清潔区域における準清潔区域というように、衛生度が低い場所も意味します。
また虫を誘引するため、異物混入が起こる可能性がある場所の近くに、設置してはいけません。
誘引された虫が途中で混入しないように、入り口からライトトラップの間に、製造ラインが来るように設置してはいけません。
ライトトラップは、定期的な捕虫紙交換が必要になるため、捕虫紙交換作業がおこないやすい高さに設置した方が良いです。

粘着トラップは、通常、誘引剤を付けませんが、誘引剤を付ける時は、外に誘引剤の匂いがもれないように配置してください。
誘引剤を使用する場合は、ライトトラップと同じように、製造ライン付近に配置しないようにしてください。
粘着トラップは、床にじか置きになるため、掃除などでなくなったり、ゴミがはき込まれたり、しない場所に置いてください。
粘着トラップは、通常、誘引剤がないため、問題箇所の近くに設置しないと捕獲されません。
また、探知面積が小さい(誘引剤がないため、偶然入った虫しか捕獲されない=付近の虫しか捕れない)ため、より細かな調査に優れます。

フェロモントラップは、フェロモンで誘引するため、外にフェロモンがもれない場所に配置する必要があります。
フェロモントラップを使用する場合は、ライトトラップと同じように、製造ライン付近に配置しないようにしてください。
フェロモンは、どの昆虫にも有効というわけではないので、目的とした昆虫にあったトラップを選んでください。
フェロモントラップで多数捕獲されても、どこで発生したか(細かな発生源が)分からない時などには、粘着トラップを使用して、細かく調査する時もあります。

なお、臭気で誘引する場合、工場内は陰圧(外から工場内に空気が流れ込む)が多いので、外に臭気がもれることは、ほとんどないと考えられます。

最新の衛生管理コラム 6件

ペストマネジメント
第85話 HACCP/FSMS対応ペストマネジメントにおける工場チェック⑨ 工場調査に行った時は、できるだけ従事者に挨拶するようにしています。 声かけをして、明るい返事が帰ってきたら、人間関係がうまくいっている証拠です。 食品工場など、声を出すことが難しくても、笑…続き
マネジメントのヒント
第28話 本質をつらぬくことはむつかしい? 第27話で、本質から外れた朝礼の話をしました。 なぜ、朝礼の挨拶が、本質からずれていったのか。 主な理由は2つだと思います。 1つは、朝礼の挨拶の説明が十分にできてなかった。 …続き
ペストマネジメント
第84話 HACCP/FSMS対応ペストマネジメントにおける工場チェック⑧ ドライ運用を考える。 具体的に、清掃がしやすくなる方法を提案する業者が良いとお話ししました。 できるだけ、実践して欲しい方法に、床を水で濡らさない「ドライ運用」があります。 ドライ運用とは、ウエットな状態で…続き
マネジメントのヒント
第27話 本質から外れた朝礼の挨拶 「身体に気をつけて頑張りましょう」 ある会社の朝礼に参加した時、いつも同じような挨拶が繰り返されること、それを話す人が日替わりであることを、不思議に思っていました。 数年後、あることを思い…続き
ペストマネジメント
第83話 HACCP/FSMS対応ペストマネジメントにおける工場チェック⑦ 環境改善を優先して HACCP/FSMS対応ペストマネジメントにおける工場チェックでは、 清掃道具の管理と清掃のしやすさを見るとお話ししました。 害虫を管理するといっても、害虫がこちらの都合で動いてくれる…続き
マネジメントのヒント
第26話 本質の考え方⑤ HACCP/FSMS対応ペストマネジメントの本質 ペストマネジメントの本質は、虫の混入を無くすことです。 虫の混入を無くすためには、HACCPと同じように製造ラインを分析して、虫が混入する可能性がある場所を特定し、侵入/発生する虫から、製造…続き