TOP
衛生管理コラム

第9話 人の話を聴くことの大切さ

その他

コラム「よりよい組織作りのために」の第11話で、自分の話すことに耳を傾けてもらうためには、相手の話を聴き、相手を理解しようという態度が必要とお話しました。
今回は、人の話を聴くことの大切さを、現場ベースで、具体的に考えようと思います。

立てた対策(ルール)を、守らない従事者がいて、あなたはその従事者を呼び出します。
従事者は、新しいルールによって、手間がかなり増えて、作業が間に合わなくなっていました。
そして、従事者は、手間をさほど増やさずにできる、対策の代案を持っていたとします。

あなたは、呼び出した従事者に、「新しいルールが守れていないけど」と話し始めます。
すると、従事者は「新しいルールは、実際やってみると、手間がかかりすぎて、作業が間に合いません」
と答えます。

その時「決まったことだから、とにかくルール通りにやってくれ」と言うとどうでしょう。
従事者は、「分かりました」と反論はしないですが、「言われたとおりやればいいんだろう」と、ルール通りおこなって、作業に遅れを出すかも知れません。
或いは、とにかく間に合わせるために、ルール通りですが、手をぬいて作業するかも知れません。

もし「あのルールに問題ある?」だとか、「ルール通りだと、手間がかかりすぎる?」とか、相手が意見を出しやすい環境を、整えたらどうでしょうか?
新しいルールの問題点だとか、持っている代案について、熱心に話すと思います。
従事者の話しを聴いて、質問をすれば、従事者は一生懸命に答えると思います。

すると、従事者の代案で作業をおこなうようになるかも知れませんし、話し合う中でよりよい方法が見つかるかも知れませんし、結果として、最初のルールでおこなうようになるかも知れません。
例え、最初のルールでおこなうようになったとしても、話に耳を傾けてもらった満足感から、従事者は、早く正確にできるように頑張ると思います。

従者の話に耳を傾けるか、傾けないかで、結果は大きく変わってきます。
忙しくても時間を作って、従事者の話には、耳を傾けることが大切です。

最新の衛生管理コラム 6件

ペストマネジメント
第95話 勉強会の時に意識したいこと① 食品安全管理では、ルールを守りやすい環境を作ることが大切です。 理想をいえば、守らないと違和感を覚えるような環境が良いです。 食品工場中には、FSMSの認証を取っていても、 いざ、一…続き
ペストマネジメント
第94話 勉強会を食品安全管理に活用する 前話に続き、勉強会を食品安全管理に活用することの続きです。 勉強会の後、従業員が動くようにします。 勉強会後「今日の内容を、日々の仕事に活かしてください」だけでは、 動ける従業員はほ…続き
ペストマネジメント
第93話 勉強会のあり方 従事者の勉強会をおこなう時は、 「おこなわないといけないから」と、ありきたりの勉強会をおこなうのでなく、 勉強会を食品安全管理に活用することを考えたいです。 話を聞いて終わりでなく、…続き
ペストマネジメント
第92話 工場内に工事業者を入れる時② 工場内に工事業者さんを入れる時に、おこなうべきことを考えます。 まずはおこなうことです。 工事業者さんの出入口を決めます。 できれば1か所にしぼりたいです。 【工事前】 歩行昆虫…続き
ペストマネジメント
第92話 工場内に工事業者を入れる時① 工場でモニタリングをしていると、急に捕獲数が増えることがあります。 何か変わったことがなかったか訊くと、「工事が入った」との言葉を聞いたりします。 品質担当者の方の中には、製造中以外は…続き
マネジメントのヒント
第42話 食品安全で問われるもの 肉まんで有名な会社の異物混入が報道されました。 工場で豚まんのあんの中にビニール片が入っているのを従業員が見つけたそうです。 会社は、混入原因とみられる箇所を確定し、対応すると同時に、1.…続き