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衛生管理コラム

第71話 HACCP/FSMS対応ペストマネジメントにおける異物検査⑦

ペストマネジメント

本日は、私の異物混入報告書作成のスタンスについて、お話します。
まず、報告書の位置づけは、「私どもが、工場に出す書類」です。

異物混入を申し出た人に提出する書類ではありません。
私どもの報告書を見て、工場の方が考察をするというスタンスです。
工場の方が、参考資料として、報告書を提出することは意識します。

気をつけることは、理路整然に、できるだけ学術的に書くことです。
万が一裁判になっても、報告書に関しては反論されないように、しっかり証拠となるレベルまで書き上げます。

特に、第66,67話でお話した混入状況については、写真付きで詳しく延べます。
第68,69話でお話した、カタラーゼテストについても、必要な写真は全て撮り、添付します。
事実を淡々と述べ、その事実に関する証拠写真を載せ、混入経路を推定します。
まるで、学術論文のように、「読んでいくとその結論しか出ない」というところを目指します。

厳しく食品工場管理をおこなうと、工場内で異物混入が起こることは非常に希です。
混入状況から推定していくと、他の場所で混入したと考えられることも多いです。
しっかりと説明して、皆が納得する報告書を目指しています。

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