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衛生管理コラム

第40話 HACCP/FSMS対応ペストマネージメントのモニタリング⑳ 好ましくないモニタリング結果への対応⑥

ペストマネジメント

第39話より、対策を立てる時に気をつけたい、2つのことをお話ししています。
第39話は、「問題の上流をたどるということ」についてお話しました。
今話は、「対策の目的を見失わないこと」についてお話します。

②対策の目的を見失わない。
対策の目的は、製品への(虫の)混入を無くすことです。
全ての問題を解決することが目的ではありません。
それぞれの対策を完璧にしようと、こだわる必要はありません。

虫の発生が抑えられないならば、発生した虫を、製造ラインに近づかないように捕獲します。
虫が侵入して来るならば、侵入した虫を、製造ラインに近づかないように捕獲します。

第8話~第13話でお話した、製造ラインの危険箇所と、施設の問題箇所を確認し、「製品に虫を混入させない仕組み」を作るという考え方が、とても大切になってきます。
「虫を侵入させない対策」「虫を発生させない対策」に固執する必要が無くなり、施設全体で防虫対策を考えられるようになります。

「虫を侵入させない対策」「虫を発生させない対策」を、おろそかにして良いということではありません。
必要以上にこだわらなくても良いということです。

例えば、「虫はほとんど減らせるけど、実行しづらい対策」よりも、「虫は残るけど、皆がやりやすい対策」を優先すればよく、その後は、残った虫を製造ラインに近づけない対策を考えれば良いということです。

対策の目的をはっきりさせ、その目的を見失わないようにすることは、対策を実現可能とするために、とても大切です。

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