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衛生管理コラム

第43話 HACCP/FSMS対応ペストマネジメントの従事者教育③

ペストマネジメント

前話で、従事者勉強会をおこなう上で大切なことをお話しました。
今話では、どのようなことを話せば良いかを考えてみます。

①虫の異物混入について、実感してもらいます。
異物混入は実際に起こることを伝え、異物混入が起こるとお客がどんな気持ちになるか考えてもらいます。
製造者にとっては、何百万分の1でも、消費者には全てであることを伝えます。

②ルールを守らないと、異物混入が起こることを伝えます。
製造工程のどこで、虫が混入する可能性があるか?を伝えます。
実際に混入しそうな場所(製品が裸で流れている場所など)を写真で見せます。

③現場では、どんな虫が混入する可能性があるか?を伝えます。
実際に、虫が侵入/発生している箇所を見せます。
実際の虫や、トラップの捕獲状況などを見せます。
虫が侵入/発生している箇所と製造ラインとの位置関係も説明します。

④虫が危険なことについて説明します。
虫は少しの隙間からも侵入してくること、少しの汚れからも発生することを伝えます。
虫が短期間で増えることを伝えます。

⑤虫の侵入/発生を防ぐために、どのような対策・ルールがあるか話します。
製造現場でおこなっている、実際のルールについて説明します。
製造作業中・清掃作業中の写真があると良い(個人が特定されないようにする)です。
モニタリング結果と合わせて、ルールを守ることの大切さを説明します。

⑥異物混入対策の大切さとルールを再確認します。

以上です。
従事者に、異物混入の恐ろしさと、ルールを守らないと実際に起こる可能性があること、異物混入を防ぐために、何をしなければいけないかを、具体的に伝えることが大切です。

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